平和テクニカの情報をお届けします。
平成28月7月29日 日刊工業新聞 東京都産業界特集面「モノづくり企業で輝く女性社員」
不良率低減、職場環境改善を実現
高速精密切断機を製造する平和テクニカ(東京都中央区)は、従業員の声を取り入れ、働く女性の環境整備に力を入れてきた。切断機の刃の部分となる切断砥石を製造する那須工場(栃木県那須町)で生産管理のリーダーを任される深澤幸子さんがその原動力だ。
現在、従業員27人のうち女性が24人で全員がお母さん。子育て中はパートタイムで働き、一段落すると、次は正社員として働く。
切断機の砥石製造は機械化が難しく、人の手を介した品質管理が重要となる。完成した砥石は、厚み0.02mmの誤差を手で感じ取るほど。少しの異変にも気付くことができるという。深澤さんは「まるで赤ちゃんを育てているよう。ちょっとした表情の変化に気付くのと同じ」と子育てを経験したお母さんならではの優しさが製造に生かされている。
深澤さんが入社した当時はバブル期。品質よりも量を追求する時代だった。子育てよりも会社を休まずに、いかに成果物を出し続けるかが大切とされた。
より能力が発揮できる環境づくりが必要と考え、会社に改善を提言した。徐々に女性中心の職場になり、製造にも少しずつ変化が現れた。女性の繊細な作業特性が品質を高め、15年かけて不良品の発生を7割減らすまでになった。深澤さんは実績を裏付けながら職場環境の改善を実現してきた。
今の新しい課題は介護の問題という。深澤さんは「次は介護と仕事の両立がテーマ」と理想のワークライフバランスを追究し続ける。