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精密切断砥石 トクウストイシ

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精密切断砥石「トクウストイシ」の豆知識

弊社那須工場は、昭和48年に栃木県那須町に建設され精密切断砥石の製造を開始しました。 極めて薄い精密切断砥石(厚み0.3~1.2mm)は、湿度や温度に非常に敏感です。そのため品質の安定を維持するには、その製造工場の立地条件が大きな要因となります。
那須の地に工場を建設したのは、品質の安定を第一に考えたからです。ここから生産される製品の一つひとつが、厳しい品質管理をへて、お客さまの元へと届けられています。

栃木県フロンティア企業に那須町で唯一認証され、栃木県のモノづくりブランドのひとつとして大きな期待を寄せられています。(認証期間:平成20年5月27日~令和2年5月31日)
※フロンティア企業とは、製造業又はソフトウェア業を営む企業であって、栃木県内に事業所を有する中小企業又は本店を有する大企業を対象に、卓越した技術や市場占有率が高い製品を保有するとともに、他の模範となる活動を実践している企業として知事が認証したもの。

トクウストイシの豆知識1

砥粒

被加工物を削るためになくてはならないのが砥粒です。砥粒の一つひとつが切刃となり、被加工物を削ります。そしてその切刃が磨耗して切れなくなると、古い摩耗した砥粒は脱落して、新しい砥粒が出てきます。この自生作用により、砥石の切れ味は最後まで維持されます。

結合剤

砥粒をつなぎ合わせているのが結合剤です。さまざまな結合剤の固さ(結合度)があり、砥石の摩耗や切れ味に大きく影響します。

気孔

被加工物を削るときに発生するのは、削りカスと摩擦による熱です。それらを解消するために、切断砥石には無数の穴があいています。大雑把に言うと、軽石みたいな形をしています。この穴の中に削ったカスが入り、砥石が回る間に排出されます。もしこの穴がないと、削りカスの出るところがなくなって、砥石は切れなくなってしまいます。また、この穴は空気を運んで砥石を冷やす役割もあります。切断砥石の気孔は、実は見落としてはいけない非常に大切な役割を担っているのです。

トクウストイシの豆知識2
トクウストイシの加工

特長

高速回転している切断砥石を用い、その砥石を構成する非常に硬い粒子(砥粒)によって、被加工物をわずかずつ削り切っていく精密加工法の一種です。研ぐようなイメージで切断されるので被加工物に破壊的ダメージを与えることなくソフトに作用し、良好な仕上面粗さが得られ、優れた研削性の精密切断が可能です。

メカニズム

切断砥石の作用面に無数に出現している砥粒の突起によって、被加工物が少しずつ削り取られると同時に、砥粒自身も突起がしだいに鈍化し破砕されて作用面から脱落しますが、この脱落によって作用面には次々に新しい砥粒が現れます。

切断条件

乾式切断

乾式は、比較的設備も簡単で経済的ですが、反面、湿式に比べ切断による発生熱を除去する効率が劣るので、切断面の焼け、バリ等を起こしやすいのが欠点です。この対策として適切な砥石の選択(粗めの粒度、柔らかめの結合度など)と入念な作業条件(砥石周速度、切断荷重など)に注意する必要があります。

湿式切断

焼けを嫌う材料や形状の加工物の切断、精度が高くきれいな切断面の要求される場合に行われ、砥石の寿命も長くなります。
研削液は、潤滑性よりも冷却性と防錆性の優れたものがよく、砥石の結合剤(フェノールレジン)の劣化を防ぐためアルカリ性の強い液の使用は避けなければなりません。弊社では、水溶性研削液『ファインクール』をご用意しており、約40倍の普通水に薄めて使用します。
研削液の供給方法は、高圧で少量与えるよりも、低圧で大量の液を砥石の両側から等量ずつ与えることが重要です。両側の供給がアンバランスになると、砥石が片減りし切断面が斜めに曲がる現象を起こすことがあります。

砥石周速度

切断砥石の周速度は、JISにより最高使用周速度として次の表のとおり規定されています。

一般的には、周速度の高いほど抵抗が低く研削比も高くなるので、乾式切断では規定の範囲内で、できるだけ高速で使用する方が有利です。しかし、延展性金属材料などは、周速度を上げると切断による発熱が大きくなり、砥石の切れ味が低下し、焼けやバリが多くなる場合があります。湿式切断では、研削液が飛翔しその効果が減少するのを防ぐため、周速度を3,000m/min以下に落とすことが必要です。当社の湿式用切断砥石は、周速度1,200~2,000m/minに設定してありますので、1,200未満または2,000を超える周速度では充分な性能が得られません。

切断砥石の保管

  1. 切断砥石は湿気に対して敏感です。保管は、直射日光・温度変化の激しい場所を避け、乾燥した場所で平坦な台の上で立てないで平積みしてください。
  2. 新しい砥石と使用済みの湿った砥石は別々に保管してください。
  3. 砥石は結合剤であるレジンに経時変化が起こりますので、必ず先入れ先出しで使用してください。
トクウストイシの豆知識3
砥粒について

用途によって砥粒を使い分ける

一般砥粒には大きく分けて二つの種類があります。一つは、アルミナ系砥粒(アランダム)、もう一つは炭化ケイ素系砥粒(カーボランダム)です。

鋼鉄や焼入鋼など鉄系材質を削るならアルミナ系

アルミナ系砥粒には褐色アルミナ系(A)、白色アルミナ系(WA)、単結晶アルミナ系(HA)などがあります。主に鉄鋼や焼入鋼など鉄系材質を削るのに使います。砥粒は褐色<白色<単結晶の順で硬くなり、切れも良くなります。非常に種類が多く、またよく使われる砥粒です。

石や鋳鉄など硬くもろい材質を削る炭化ケイ素系

炭化ケイ素系砥粒には黒色炭化ケイ素系(C)、緑色炭化ケイ素系(GC)があります。主に石や鋳鉄など、硬くもろい材質を削るのに使います。砥粒の硬さ自体はC、GC共にほぼ同等で、アルミナ系砥粒よりも硬い反面粘りが無く、鉄を削ると反応して消耗が早くなる、研削面がくもるという欠点があるため、アルミや銅など非鉄金属、超硬合金を削るときに用います。CとGCを比較すると、砥粒形状がCはシャープ、GCはブロッキーのため、用途に合わせて選びます。

超砥粒

超砥粒にはダイヤモンドとCBNがあります。ダイヤモンドは炭化ケイ素系の、より硬くなったもの、CBNはアルミナ系のより硬くなったものと考えるのがよいでしょう。実際に使用するには、一般砥粒より数段粒度の小さいものを使います。

粒度

粒度とは、砥粒の大きさを示すもので、当社では#80~#400まであります。この粒度と結合度により、切断面の仕上面粗さがほぼ決まります。

結合度について

柔らかいものには硬く、硬いものには柔らかく

砥石の硬さを結合度といいます。Aがもっとも柔らかく、Zに近づくほど硬くなります。

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切れないときは?

切断砥石が切れなくなる現象について

砥石は、適切な条件で使わなければ不具合を起こして切れません。結合度で簡単に述べましたが、具体的にどのような現象かご説明します。

現象 症状
目つぶれ 砥粒が磨耗しても脱落が起こらず、砥石表面が平滑になり、被加工物が切れなくなる。
目詰まり 減った砥粒や研削屑が気孔に詰まり、被加工物が切れなくなる。
目こぼれ 砥粒が磨耗する前に脱落が起こり、被加工物が切れなくなる。

このような現象が起こったときには、何らかの対策が必要となります。砥石を変える前に、切断条件を変えてみてください。砥石の周速、ドレッシングの方法、切り込みの深さ、送りの速さなど一度見直して、それでも駄目なときは砥石を交換しましょう。

切断砥石選定のお手伝い ~硬さ測定がお勧めです!~

被加工物の硬さを測定することによって、その材料が持つ強度や耐久性などの機械的性質を推測することができます。おおよその硬さを確認することで、最適な砥粒や結合度を選び出すことが可能となり、切断時の被加工物や砥石の破損を防ぎ、理想的な切断が行えます。

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ドキュメント


お使いの精密切断砥石に関して、切断精度や切れ味、砥石摩耗などに対するご意見やご要望、お困りな点などがございましたら、下記のドキュメントをダウンロードいただき、メールもしくはFAXにてご返信ください。

トイシ品質お問い合わせシート (144KB)


トイシ取扱説明書 (10.60MB)





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