精密切断機 ファインカット
精密切断砥石 トクウストイシ

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きらぼし会報誌に掲載されました

企業探訪

 

平和テクニカ株式会社 代表取締役社長 小池達夫氏

                                   取材・構成 経済評論家 西原 勝洋

商社から始まった技術力の切断機メーカー

どんなに硬い素材でも、薄いレコード盤のような砥石が高速回転して、きれいに切断する。素材や部品の断面検査のための切断、あるいは生産工程での切断加工や溝堀り加工―平和テクニカは切断機本体と、それに装着する砥石を製造している。

しかし、そもそもの本業は機械工具類の専門商社だった。

そして、砥石を製造する栃木県の那須工場は、従業員の8割が女性で、その全員が子供がいるという点でもユニークだ。 


「うちにしかできない物を」で試行錯誤して

戦後、軍隊で担当していた仕事を基礎に企業を立ち上げた創業者はずいぶんといる。いまは栃木県宇都宮市の名物となっている餃子も、満州に派遣されていた宇都宮連隊の炊事兵が始めたという。

平和テクニカの創業者、小池満氏も、軍で機械工具の調達の仕事をしていた。その経験を土台にして、戦後、工具類の調達・納品の仕事をはじめ、1952年に機械工具専門商社「平和工業商会」を立ち上げた。

小池満氏は長崎にいた。そして三菱の造船工場にいた時に原爆に遭った。爆心から2・5㎞の地点だったが、風下だったため、さしたるケガも後遺症もなかった。しかし、悲惨な現場を見た。その体験が「平和」を冠にする社名につながった。

初めは日産自動車の下請け企業への納品だった。それを続けるうちに「誠実な業者だ」との評判が定着し、日産自動車本体への出入りが許された。

小池満氏は、機械工具の調達・納入の仕事を続けながらも、「製品を右から左へ納入するだけでは、ずっと安定していけるかどうか分からない。いつかは自分のところでしか造れない製品を産みだし販売したい」と願っていた。

ある日、工作機械メーカーの関係者から「こんなものを造ってみたら、売れるかもしれないよ」と囁かれた。それが切断機だった。

創業から10年ほど経った11年目の1963年に、座間市に小さな板金工場を建てた。メインは治工具の製造、その傍らで切断機づくりの試行錯誤を続けた。翌年には手動普及万能型切断機を開発、発売を始めるが、「安定した販売」にはほど遠かった。

その頃は、仕入れた砥石を装着していた。ある日、「砥石を自社開発したらどうか」と閃いた。

機械本体は、一度納入したら10年以上は次の需要がない。しかし、砥石は消耗品だ。

切断機に装着する砥石は、研磨剤と樹脂を混ぜ合わせた原料を薄く平らに伸ばせばいい。原理は簡単すぎるのだが、実際に造ってみると不良品ばかり出た。

2代目で現社長の小池達夫氏は「家に帰ると、不良品の砥石があっちにも、こっちにも山積みされていました」と、当時を振り返る。

不良品が山積みになっても平和工業商会の経営が保もったのは、当時の本業である機械工具の商社部門が順調だったからだ。 


企業探訪2

ロケットの外壁切断にも使われた

ようやく明るい展望が見えたのは1970年。切断機本体と、装着する砥石の一体研究・開発が実り、座間工場建設から、また10年経った73年、栃木県那須町に砥石製造の専門工場を建てた。

那須を選んだのは、たまたま用地の紹介者がいたこと、人手を集められやすい状況だったからだ。その頃は、座間市で造る切断機本体も順調な軌道に乗り出していた。

大手メーカーの生産部門には「部外者立ち入り禁止」の場所が多いが、試験検査部門からは逆に「来てくれ」と言われる。

「そこで苦情と要望を聴くことが、製品の改善、次の製品開発のスタートになる」と創業社長はよく言っていた。2代目社長も社員に同じことを言っている。

そうした精神で生まれたのが、全自動棒材精密切断機や端面研磨機だった。

1988年には、製造部門の売上増を踏まえて、「平和テクニカ株式会社」に社名変更した。

2004年には高速精密切断機ファインカットSP-310Z3型が中小企業優秀新技術・新製品賞(りそな中小企業振興財団、日刊工業新聞などの後援)の技術・製品部門の奨励賞を受けた。

これは、従来は切断が難しいとされた材料や新素材を、砥石を使った自動制御技術で容易に切断する装置だ。切断時間が従来の5分の1に短縮され、低コストを実現した。

そして気が付いた時は、棒材や鉱物原石、あるいはガラスやセミラック素材を対象とする切断機も、そのための砥石も、有力なライバル企業はいなくなっていた。

極小の素材の切断や研磨加工ではDISCO社があまりにも有名だ。しかし、対象とする素材が違いすぎる。

ニッチな部門ではあれ、平和テクニカは事実上の独占メーカーなのだ。いや、ニッチな部門とはいえ、平和テクニカの切断機は宇宙開発事業団がロケットの外壁を切断する際にも使われている。

そういうこともあり、納品先としては、官民の著名な金属系研究センター、大学の金属関係学部、そして機械・金属系の大手メーカーがずらりと並んでいる。

「こんな小さな会社なのに、日本の一流会社、著名な試験研究機関に納品できるのは、たいへんに光栄なことです。そういう納入先と接することは社員の勉強になり、会社全体の士気も高まります」と小池社長は言う。

製品の改良・開発の努力は続く。2009年には工業用ダイヤモンドを混ぜ込んだ砥石『ウィルナス』が「超モノづくり部品大賞」(モノづくり推進会議、日刊工業新聞社)の機械部品賞を受賞した。


企業探訪3

女性にまかせて工場は回る

『ウィルナス』のナスは那須工場から取った名前だ。

那須工場は、冒頭で触れた通り、女性が8割を占める。チームリーダーも女性だ。その全員が子供のいる主婦だ。

何人かは、もう子供に手のかからない主婦だが、大部分は現に子育て中だ。

「みんな自分の子供がいるから〝きょうは、あそこの家の子供が…〞といった事情を、すぐに理解できます。それで、お互いにうまく作業時間や休日を調整しあっているようで、子育て中の主婦社員がいると効率が落ちるといったことは全くありません」と小池社長は言う。

那須工場で製造される砥石は、直径7・5〜25・5㎝、厚さはわずか0・3〜1・2㎜。その仕上がり検査も、女性の方が適性があるとされている。

那須工場は2011年から連続して栃木県の「フロンティア企業」として認証されている。

2015年には平和テクニカが経済産業省の「がんばる中小企業・小規模事業者300社」に選定された。


企業探訪4

独力で輸出に取り組む意欲

2004年に創業者の小池満氏は会長に退き、達夫氏が2代目社長に就いた。小さい頃から父の後を継ぐつもりでいた。機械専門商社での修行を経て入社した。

「社長になった時は、会社が持つ実力、社員が持つ実力を冷静に掌握し、現場・現物・現実を直視する『三現主義』で発展を……と力んだのですが、やはり父の存命中は〝見習い社長〞でした」と苦笑する。

それでも父から学び取ったことは「創業の精神―うちでしかできない独自の製品を造るという気概を守り実現していくことです」と言う。

しかし、商社部門も忘れてはいない。商社部門の売上比率は4割ある。そのメインの顧客である日産自動車への納入は半世紀を超える歴史がある。

独自のモノづくりと、商社の結合点は輸出だ。日本企業の進出が著しいタイへの輸出は、まだ規模は小さいが流れとしては順調だ。平和テクニカの製品は、工業化が進む国・地域で需要がある。タイから東南アジア全域への流れがやがてできるのではないか。

それを専門商社に委ねることなく、自前で輸出市場を拡大しようという意欲は、自身がかつて商社にいたこと、そして平和テクニカが商社部門からスタートしたことに裏打ちされているのだろう。

「父から学び取ったこと、もう1つありました。『和顔愛語』です」

日本橋浜町にある本社には、その揮毫が張られていた。

「品質を改善する決め手は人への投資。それは和顔愛語の心だと思います」―2代目社長の言葉は自信にあふれていた。(にしはら かつひろ)


平和テクニカ株式会社

■ 代表取締役 小池達夫

■ 設 立 昭和31年3月

■ 資本金 5000万円

■ 社員数83名

■ 売上高17・5億円

■ 事業内容 機械工具、工場用品、治工具・省力化機器の販売、エンジニアリング商品、製造ライン設備の製作、工場付帯設備の据付施工、高速精密切断機「ファインカット」、精密切断砥石「トクウストイシ」、硬脆性材料用ダイヤモンド切断砥石「ナストンゴールド」、結合剤部分傾斜型レジノイド切断砥石「ウィルナス」の製造販売、水溶性研削液「ファインクール」、アルコール防錆剤「ファインフリー」の販売

■ 本社 東京都中央区日本橋浜町2-48-4

■ 電話 03-3249-0981㈹

■ https://www.heiwa-tec.co.jp


きらぼし銀行 茅場町支店会員

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